先日、写真集「FRANCISCO」を発表した、リトルブックレーベル・PRELIBRI。
COW BOOKSでは、PRELIBRIスタートから、活動と制作物を紹介しています。

PRELIBRI よりメッセージ:

PRELIBRI はリトルブックレーベルです。
PRELIBRIとは pre + libri。『本になる前』という意味があります。
この言葉が伝えようとすることについて考え続けること、
それがPRELIBRIの制作の中心にいつもあります。
そうやってPRELIBRIは、リトルブックレーベルでありながら
「本」というかたちの制限にとらわれない制作活動を行ってきました。

PRELIBRIは今年で活動4年目を迎えます。

今年PRELIBRIは、「本」について考えます。
表現が本というかたちをとるときにだけ生まれえるものを、
さがしに行こうと思うのです。
昨年は「Envelope project」の作品発表を行なったPRELIBRI。今年の活動について、
PRELIBRIの小熊千佳子さん、一之瀬ちひろさんお二人にお話をお伺いしました。

−改めて「本」について考えることになったきっかけについてお聞かせ下さい。

グラフィックデザイナー・小熊、フォトグラファー・一之瀬の二人でPRELIBRIとして活動をはじめた2011年から、
東京アートブックフェアに参加していました。2012年に参加した際、NYアートブックフェアに出展するという方にお声かけいただき、
東京のリトルブックレーベルやZINEを紹介するブースにて、PRELIBRIも「FORM-GIVING」を持っていっていただき参加することになりました。
その時に出品したものは、予想以上に好反応で、すぐに完売となったそうです。そして、次は実際にその現場に立ちたいと思い、
翌年2013年のNYアートブックフェア出展にむけて準備を始めました。


−実際に出展して、何か感じたことはありましたか?

NYアートブックフェアの、世界最大といわれる規模に裏打ちされた、出展者と作品の層の厚さにまず驚きました。
ここでは「本」そのものに価値があり、制作と販売が成立している。出版社やギャラリーが出展し、ハードカバーがメインとなり、
「本」のクオリティがとても高かったです。記録としての冊子・印刷物ではなく、「本」そのものに作品としての存在感がある。
来場者もさまざまで、若い人から50代〜60代まで年齢層も幅広く「本」を通じてのコミュニケーションが、日常にあるんだなと、新鮮に感じました。


−PRELIBRIの出品したプロダクト、本に対する反応はいかがでしたか?

紙や箔押し加工など、素材・加工技術にこだわって制作してきた点に、とても良い反応をいただきました。
興味、関心を持っていただける方が多く、日本の紙の質や加工のクオリティについて自信をもちました。


−ブックフェアでの経験が、今年の活動のテーマ「本」になったことは、自然の流れのようですね。

そうですね。
今までの自分たちのものづくりが好意的に受け入れられた、という点で、次のステップとして掲げるテーマは「本」だな、と二人ともが思いました。
PRELIBRIが発表した最初の一冊は、「stilleven」という写真集(撮影:一之瀬ちひろ)で、全ての工程を、小熊と一之瀬二人で手がけた、
20冊のみの手製本でした。その時は、ニュアンスのある紙に、印刷、コラージュを施した、一点もののアートブックとして仕上げましたが、
いつかこのstillevenシリーズを「写真をみせる」という観点から再編集しなおした本を作りたい。というアイデアは常に二人の中にありました。
そこで、活動4年目を迎える2014年のPRELIBRIは、改めて基本に戻り、「本」について取り組んでいこうと思いました。
−第一弾写真集「FRANCISCO」ができました。この一冊についても、少しお聞かせ下さい。

「本」制作にとりかかることを決めてから、とにかくまず、一冊カタチにしたかった。
実際に手を動かして、本をつくってみないと分からないことも多いだろう、と考えたからです。
今回の「FRANCISCO」は、まず手軽に手にとれる40ページ程の薄めの本として、サイズや体裁などおおまかな
フォーマットを決めたのちに、テーマを落とし込んで作った一冊です。
撮影、デザインそれぞれの領域でも、自分たちのものづくりの意識が少し変って面白いな、と感じました。


−なるほど。それで、今まで制作してきたプロダクトと、印象が異なるのですね。

そうかもしれません。
それぞれ二人の頭に浮かんで来るイメージや、取り上げたいテーマをみつけたら、躊躇無くまず作ってみる。
制作時間やコストも含め、少部数発行の本をつくるラインは、今までの実験的なものづくりを継承したもの。
それと平行して、しっかりと時間をかけて、納得いくところまで詰めていく本づくりのラインが、もうひとつ。
今年のPRELIBRIの活動はこの2本柱で、進行していきます。


−もうすでに次の制作がスタートしているのでしょうか?

はい。ハードカバーの写真集の準備を始めています。
NYアートブックフェアに参加し、NYに滞在した10日間は、現実から少し離れて、PRELIBRIのことに集中することができた
濃密な時間でした。PRELIBRIの活動は、グラフィックデザイナー・小熊とフォトグラファー・一之瀬のタッグで、
それぞれの領域を横断し、キャッチボールをしながら、続けて行く楽しみがあります。常にアイディアは更新できるし、
やってみたいことや過去の失敗も、今後に活かすことができる。そのためにも、まず自分たちが楽しもう、
というところは大事にしています。
その時々に私たちが感じる「ある『本になる前(pre + libri)』のもの」を、「私たちなりのカタチ」にまとめてお届けする。
私たちの活動を見守っていただければとても嬉しいです。

写真集「FRANCISCO」
毎年、新しい試みを取り入れながら、新作の発表を行うPRELIBRIの活動は、今後もCOW BOOKSで紹介していきます。
目下、準備中という新作写真集も、どうぞご期待ください。