mail news 281
山の芸術誌「アルプ」
昭和33年の3月、雑誌「アルプ」は、串田孫一の編集のもと創刊された。
表紙には、紙漉のスジがはいった、淡い水色の紙、本文にはクリーム色の
上質紙が決まって使われ、大きく記されたアルプの文字の下を串田孫一や
畦地梅太郎、大谷一良らの、季節を感じさせる版画の小品が飾った。アルプは、
山の雑誌ではあったが、技術・用具についての解説や登山コースの紹介など
単純な実用記事は載せなかった。そして広告を一切取らなかった点も山の芸術誌
たる所以であろう。自分の足で山へ分け入ったものだけが知る、自然との交歓が、
個人的なドキュメンタリーとして、詩的な言葉で綴られていた。その執筆者には、
串田孫一、畦地梅太郎らのレギュラー陣に加え、野尻抱影、曾宮一念、田淵行男、
吉原幸子、宇都宮貞子など総勢600人が名を連ねた。みなアルプ誌上で、自分だけの
とっておきの山での経験を、仲間と分かち合いたいという思いだったのではないだろうか、
寄せられた文章からは、山への愛と自然の歓びを伝えようとする強い意志が感じられた。
これほど寄稿家に愛された雑誌は他に例がないだろう。その上質な内容から良い読者に恵まれ、
一歩ずつ山を登るような静かで着実な足取りで、終刊となる昭和58年までの25年の間、
通算300号が発行された山の芸術誌「アルプ」。COW BOOKS南青山店では、「アルプ」
本誌と特集号を含む、貴重なバックナンバーを多数取り揃えました。
この機会にぜひお手に取ってご覧下さい。

価格は内容や状態により¥525-から¥1.050-
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